先日名古屋四季劇場へ、娘と劇団四季「キャッツ」を観に行って参りました。
若干意味不明な部分もあったので、帰ってからネット情報をいろいろ見ています。
すると「ストーリーが意味不明」とか「どこがおもしろいですか」と言った意見が少なくないことが分かりました。
初めての「キャッツ」であんなに感動した私ですが、アンチ?な意見も共感できるところがあり複雑な気分です。
そこで自分の中でのキャッツを整理するためにに内容をまとめてみました。
これからキャッツを観る方、私と同じように、「よかったんだけど釈然としない」という方の参考になれば幸いです🐈
キャッツのストーリーが意味不明の理由!原作にあらすじはない
キャッツのストーリーが意味不明な理由は、なんと言っても原作にストーリーが無いからです。
原作は、T.S.エリオット作の「ポッサムおじさんの猫と付き合う方法」という詩集なんですね。
ストーリーが意味不明と感じる方、ミュージカル「キャッツ」ができるまでを知っておきましょう。
作曲家アンドリュー・ロイド=ウェバーがまず詩集に出会い、さらにもう一つ決定的な出会いをすることでミュージカル「キャッツ」は完成しました。
- 詩集「ポッサムおじさんの猫と付き合う方法」
- 未完の詩「娼婦猫グリザベラ」
キャッツにストーリーは無い?詩集「ポッサムおじさんの猫と付き合う方法」
T.S.エリオット『キャッツ ポッサムおじさんの猫とつき合う法』#読了
猫というのは不思議な生き物で、いっしょに暮しているとたくさんのことに気付かせてくれる。はっとさせられるような合理性をもっている。
私が猫に教えたことなんてひとつもなくても、猫は私にたくさん教えてくれる。 pic.twitter.com/xvMZimeJln
— 江桂花@読書・執筆・創作🩷 (@jiang_guihua) February 18, 2023
作曲家アンドリュー・ロイド=ウェバーが1972年に他の舞台のブロードウェイ開幕のため、アメリカへと向かっている最中の話です。
空港の売店で何気なく手に取ったのが、エリオットの詩集「Old Possum's Book of Practical Cats=ポッサムおじさんの猫とつき合う法」、通称「キャッツ」でした。
ロイド=ウェバーは、良い詩を読むとすぐに曲を作ってしまう人だったと言われています。
そのため、ミュージカル「キャッツ」はまず詩に曲がつき、次にストーリーとテーマがつけられるという変則的な手順で作られました。
キャッツの成り立ちは変則的だった。
- 詩に曲がつき、
- 次にストーリーとテーマがついた
キャッツにストーリーが生まれた?未完の詩「娼婦猫グリザベラ」が加わった
「ポッサムおじさんの猫とつき合う法」は、猫好きだったエリオットの「猫観察記」とも言える作品です。
個性豊かな猫たちが生き生きと描かれており、読んでいると特別な猫好きでなくとも心が弾んでしまうような魅力を持っています。
ですが、それだけでは大人も満足できるミュージカルとして成立しないと、ロイド=ウェバーや演出家たちは感じていました。
確かに、楽しい!だけでは物足りないですよね。
その時悩めるロイド=ウェバーにエリオットの奥さまが手渡したのが「娼婦猫グリザベラ」というタイトルの付いた、7・8行ほどの未完の詩だったのです。(この時エリオットは亡くなっています。)
暗い過去を背負い、救済を願うグリザベラには、“罪深い女”マグダラのマリアや、精神を狂気に蝕まれてしまったエリオットの最初の妻の面影があるといわれているそうです。
「キャッツ」は子供向けに作られた詩集ということもあってグリザベラは収録されていなかったようですが、グリザベラの持つ暗く悲劇的な要素こそ、ロイド=ウェバーがミュージカル「キャッツ」に求めていたものでした。
こうしてミュージカル「キャッツ」は再生の物語として誕生しました。
キャッツのストーリーが意味不明!初心者はまずこれで楽しもう
キャッツを初めて観る方に向けて楽しみ方をお伝えします。
ストーリーがほとんど無いからこそ、単純にその場を楽しんでほしいと思います!
ただ、単純に楽しむには猫の種類が多くて名前が難しいから…予習しておくといいですよ🎵
- 猫の名前と特徴を予習しておこう
- オープニングでワクワク
- 歌とダンスに酔いしれよう
- 周りに合わせて拍手で参加
キャッツはストーリーでなく、猫の名前と特徴を予習しておこう
私は前日にHPで予習をしました。
というのも、娘が学芸会で「キャッツ」をやったので、なんとなく猫の名前や特徴を知っていて、「名前が長くてややこしいぞ」ということが分かっていたからです!
何にも知らなかったら予習なしだったかもしれません…よかった。
とにかく、劇団四季のHPにて猫の名前と特徴に目を通しておきましょう。
キャッツはオープニングでワクワク!ストーリーはほぼ関係ない?
私、オープニングにすごく感動しました!
暗闇に猫の目が光っては消えて移動する「目チカ」、舞台装置が移動するダイナミックさ…。
近くまで来てくれる演出はコロナ禍にはなかったようですよ。
別の記事で書きましたが、余裕を持って着席されることをお勧めします。
>>劇団四季で開演ギリギリ!ミュージカルは公演何分前に着席するか?
自分の席からであれば舞台の撮影もできるので、ぜひ記念に撮っておいてくださいね。
キャッツのストーリーはほどほどに!歌とダンスに酔いしれよう
やっぱり歌とダンスが最高です!
ワクワク+感動。
ワクワク+感動って普段あまりない感情ですよね、大人が本気で遊ぶってこういうことかぁって思いました。
劇団創立記念のカーテンコールで演者さんが「人生は素晴らしい、生きるに値するというメッセージをお届けしたい」とおっしゃっていたことが頭に浮かびます。
キャッツの楽しみ!周りに合わせて拍手で参加
劇後半になると、観客が拍手で参加する場面が増えてきます。
拍手するのは決まったタイミングがあるらしく、初心者には判断できません。
でも何回も観に来ていらっしゃる方が周りにちらほらいて拍手のタイミングバッチリなので、その方達に合わせて拍手→ストップすれば間違いありませんよ。
ミストフェリーズ(ダンスとマジックが上手な猫)のダンスは素晴らしく、手拍子によって劇場の一体感が一気に上がります。
恥ずかしがらずに、雰囲気に合わせて拍手で参加してみてくださいね🎵
まとめ:キャッツのストーリーは意味不明だけど…一度は見てほしい!
初キャッツ終了。
素人の僕が語るのはおこがましいけど、歌とダンスが高いレベルで両立されていて素晴らしい!
2023.11.25#劇団四季 #キャッツ pic.twitter.com/xFfz2VI2qB— ひとし (@chichi_hitoshi) November 25, 2023
以上、キャッツの魅力について見てきました。
いかがでしたか?
キャッツは、ストーリーがほぼ無いからこそいろいろな解釈ができるし、長年愛されているミュージカルなのですね。
すんごい恋愛ものとか、ずっと争っているとかではないので、老若男女楽しめます!
私の感じたキャッツの魅力はこちら。
- オープニングのつかみが最高!光る目の演出で2階席まで来てくれてキャッツの世界に引き込まれる。
- 猫みたいな柔らかさで激しくしなやかなダンス。
- 感情のこもった生歌。
特に、終始安定感抜群な上手な歌唱は生で歌っているのか疑問に思ってしまうほど。
歌についてはこちらの記事>>「劇団四季のキャッツは口パクなの?」
とっっっても心が元気になる作品ですので、まだ観たことがない方はぜひ千秋楽までに観にいっていただきたいなーと思います🎵