マーガリンについて、「売られているのは日本だけだよ。」なんて聞いたことはありませんか?
私は、マーガリンは”海外では禁止されている”と耳にしたことがありました。
気にはなるものの、お菓子作りで購入したり、市販のお菓子は気にせず食べている状況。
私は実家がバター派だったので、バターを使いたいのですが、お菓子作りなどで大量に使うにはお値段が張ってしまいます。
マーガリンが健康に問題なければ、バターと合わせて使っていきたいと思っています。
今回は、マーガリンは日本だけなぜ規制されていないのか?・海外では本当に規制されているのか?を調べました。
こんな人におすすめの記事です
- マーガリンが日本だけ規制されていないことが疑問
- バターが好きだけど、危険ではないならマーガリンも使ってみたい
興味のある方はぜひ読んでみてくださいね!
マーガリンは日本だけ?なぜ規制がないのか
まず、世界的に規制対象になっているのはマーガリンではありません。
マーガリンをはじめスナック菓子インスタント麺などに含まれる「トランス脂肪酸」です。
トランス脂肪酸は世界で年間50万人が心臓と血管の病気で亡くなる原因の一つと考えられています。
⚪︎トランス脂肪酸とは?
トランス脂肪酸は、脂質の構成成分である脂肪酸の一種です。植物油などからマーガリンやショートニングなどを製造する際や植物油を高温にして脱臭する工程で生じます。また、天然でも、牛などの反すう動物に由来する乳製品や肉に含まれています。
平均的な日本人より多いトランス脂肪酸摂取量を基にした諸外国の研究結果によると、トランス脂肪酸の過剰摂取により、心筋梗塞などの冠動脈疾患が増加する可能性が高いとされています。
参考:厚生労働省
ところが日本人の食事摂取基準(2015年度版)ではトランス脂肪酸について、目標量の基準は定められず、表示義務もありません。
なぜでしょうか?
考えられる理由を見ていきましょう。
- 日本だけの理由①日本人の摂取量がそもそも少ない
- 日本だけの理由②死因のトップが海外と違う
- 日本だけの理由③規制を求める声もある
- 日本だけの理由④メーカーファーストだから
日本だけの理由①日本人の摂取量がそもそも少ない
1日当たりの摂取量を、1日に摂取する総カロリーの1%未満にするようにと言うWHOの提言に対し、日本におけるトランス脂肪酸の摂取量は、総エネルギー摂取量の0.6%と推定されています。
トランス脂肪酸の摂取量について、日本人の大多数がWHO の勧告(目標)基準であるエネルギー比の1%未満であり、また、健康への影響を評価できるレベルを下回っていることから、通常の食生活では健康への影響は小さいと考えられる。
しかしながら、脂質に偏った食事をしている個人においては、トランス脂肪酸摂取量のエネルギー比が1%を超えていることがあると考えられるため、留意する必要がある。
参考:農林水産省
政府はこのように提言するものの、日本における規制は必要ないとの認識を持っています。
日本だけの理由②死因のトップが海外と違う
アメリカ人の死因トップは心臓疾患で、トランス脂肪酸の摂り過ぎがその原因の一つと考えられています。
そのため諸外国に先がけて規制が行われたのでしょう。
一方で日本人の死因トップは「がん」です。
農林水産省は、トランス脂肪酸の健康への悪影響について、認めてはいます。
しかし「日本人の食生活の傾向から考えると、トランス脂肪酸のリスクよりも塩分のリスクの方が高い」としていて、「脂質の取りすぎ」と同時に「塩分の取りすぎ」に十分注意するよう呼びかけをするところで留まっており、トランス脂肪酸への規制は行なっていません。
日本だけの理由③規制を求める声もある
日本におけるトランス脂肪酸の摂取量は、総エネルギー摂取量の0.6%と推定されているとお伝えしました。
これは赤ちゃんからお年寄りまで含めた全体の数字なので、実は年代によってバラツキがあります。
特に30代〜40代の世代ではトランス脂肪酸を含んだ食品を口にする機会が多く、人によっては基準値を上回った摂取量になると言うデータもあります。
同学会は「過剰摂取が動脈硬化性疾患を増加させる脂質にコレステロール、飽和脂肪酸、トランス型不飽和脂肪酸(トランス脂肪酸)が挙げられる」とし、これらの表示義務化を求める声明をまとめているそうです。
参考:看護roo!
日本だけの理由④メーカーファーストだから
日本はメーカーファーストだと言われます。
国はメーカーに対し、下記の表示ができることを許可しています。
メーカーが許されている表示
食品100gあたり(清涼飲料水などの場合は100mlあたり)
トランス脂肪酸の含有量が0.3mg未満であれば「トランス脂肪酸フリー(「無」「ゼロ」「ノン」などもOK)」
メーカーにとって有利になる表示を許可しています。
私は食事を購入する際に、何が入っているのか知りたいと思うのですが、いかがでしょうか。
それが例え”気にしすぎ”の部類であったとしても選ぶ権利はありますよね。
参考:FRIDAYー世界で規制が進む「トランス脂肪酸」日本では野放しなのはなぜ?
マーガリンは日本だけなぜ!他の国では?
トランス脂肪酸について、日本以外の国ではどのように規制されているのでしょうか。
WHO(世界保健機関)の提言を含め、それぞれみていきましょう。
- WHO(世界保健機関)
- 表示を義務付けている国
- 表示と上限値を設定した国
- 食品への使用を禁止した国
トランス脂肪酸への規制:WHO(世界保健機関)
トランス脂肪酸を摂ると冠動脈疾患のリスクが高まることを報告しており、世界中で年間50万人がトランス脂肪酸による心臓と血管の病気で亡くなっているとことを発表しています。
現在の提言と目標
- 1日当たりの摂取量を1日に摂取する総カロリーの1%未満にするように提言。
- 2023年までに世界中のすべての食べ物から人工のトランス脂肪酸を取り除くことを目標とした。
トランス脂肪酸含有量の表示を義務付けている国
以下の地域では、食品中のトランス脂肪酸濃度の含有量の表示が義務付けられています。
- 韓国
- 中国
- 香港
- アルゼンチン
- サウジアラビアなど
お隣の中国や韓国ではトランス脂肪酸含有量の表示が義務化されているのですね!
トランス脂肪酸の表示と上限値を設定した国
トランス脂肪酸濃度の上限値を設定したうえ、表示を義務付けた地域は以下になります。
- EU加盟国
- シンガポール
デンマークとノルウェーでは、すべての油脂および包装食品に含まれる人工トランス脂肪酸の量を、総脂肪量の2%以下に制限しています。
2004年に初めてこのような規制を導入したデンマークでは、心臓病による死亡率が低下していると言う報告があります。
トランス脂肪酸の食品への使用を禁止した国
以下の地域では、トランス脂肪酸の食品への使用を禁止しています。
- アメリカのニューヨーク州やカリフォルニア州
- カナダ
- 台湾
- タイ
アメリカやカナダは2018年から、タイは2019年の1月にPHO(部分水素添加物油脂)を禁止しました。
これらの国の食品メーカーは、人工的なトランス脂肪酸から不飽和油などの健康的な油に切り替えて製造をしているようです。
マーガリンは日本だけなぜ規制がないのか?まとめ
日本では、トランス脂肪酸の使用を禁止する規制がなく、表示義務もないと言うことがわかりました。
皆さんはどんな感想を持ちますか?
国が規制に積極的ではない反面、多くの日本の食品メーカーがトランス脂肪酸の使用を減らす努力をしています。
例えば、明治、雪印メグミルク、J-オイルミルズなどの日本の大手食品メーカーは、FDA(アメリカ食品医薬品局)やWHO(世界保健機構)からの指示や勧告を受けて、PHO(部分水素添加物油脂)を製品から排除しています。
HPなどでその事実を確認でき、企業努力ってすごいなと感じました。
>>「ケーキ用マーガリンのお菓子以外の使い道ってあるの?」ではマーガリンの使い道をご紹介しています🎵
農林水産省のHPにはこんな文章が。
脂質が多い食事をしている人は、トランス脂肪酸を多くとってしまう可能性があります。健やかな食生活を送るためには、同じものばかりを食べるのではなく、いろいろな食品をバランスよく食べることが重要です。
私個人的には、日本におけるトランス脂肪酸の摂取量が低い値とはいえ、たくさん摂取することへの危惧を書くのであれば、表示義務くらいはあってもいいのでは…?と思いました。
この記事が、食品への関心を高めるきっかけになれば幸いです。