鳥居といえば、どんな色を思い浮かべますか?
鳥居の成り立ちは諸説あるのですが、
もともとは赤く塗られていない、白木や石造りの「白い鳥居」が多かったそうです。
では、なぜ赤く塗られるようになったのか?
そして、今でも各地で見られる白い鳥居にはどんな意味があるのか?
この記事では、神道の歴史と信仰の流れから、白い鳥居と赤い鳥居の違いをわかりやすく解説します。
さらに、初詣やお参りのときに「どちらの鳥居をくぐるとよいか」の考察も紹介します。
白い鳥居と赤い鳥居の違いとは?

まず、鳥居の色には「神の領域と人の世界を分ける」という意味があります。
白い鳥居は「清め」や「無垢(むく)」を象徴し、
自然そのものを神とする古来の神道の考え方に近いとされています。
たとえば、伊勢神宮や出雲大社の鳥居は塗装されておらず、木の質感や石のまま。
これは、神の存在をできるだけ自然に近い形で感じるためのものだそうです。
なるほど〜。
一方、赤い鳥居は「魔除け」や「生命力」を表す色。
古来より、赤土から作られる「弁柄(べんがら)」には防腐・防虫の効果があり、建築的にも実用的な理由がありました。
加えて、仏教の伝来とともに、赤は「煩悩を焼き尽くす」「悪を祓う」聖なる色とされ、神社にも広まったといわれています。
赤色の鳥居といえば稲荷神社が有名です。
赤色は稲作に必要とされる陽光や温かさを運んでくると稲荷神社では考えられています。
鳥居の色が変わった歴史

鳥居にはさまざまな種類や形があり、使用される木材の材質や構造もさまざま。
一説によると、60以上もの鳥居の種類があるとされます。
鳥居の色については、歴史と共に変化したと考える説が有効なようです。
古代の鳥居は“白”が基本だった
日本最古の鳥居は、木や石をそのまま使った白っぽいものだったそうです。
塗装するという概念がなかった時代、木そのもの・石そのものの存在が神聖視されていました。
つまり、白い鳥居は神道の原点ともいえます。
仏教伝来で“赤”が広まった
6世紀以降、仏教の影響が広がると、神社の建築にも赤が取り入れられ始めました。
仏教では赤は「生命のエネルギー」や「守護」の象徴とされており、
これが鳥居にも反映されたといわれています。
赤く塗ることで「悪霊を寄せつけない」「神域を守る」という意味が加わったそうです。
神仏分離で再び“白”に戻る流れも
明治時代に入ると、「神仏分離令」によって神社と寺院が明確に分けられました。
このとき、「本来の姿に戻すべし」とされ、
朱に塗られた鳥居の一部はもとの無色(白や木の色)に戻されました。
とはいえ、もともと朱色だった鳥居も多く、そのまま現在まで残っているものも少なくありません。
白い鳥居と赤い鳥居、それぞれの意味と選び方

神社を訪れると、赤い鳥居のところもあれば、
白っぽい鳥居(木や石の色がそのままのもの)もありますよね。
私はこれまで、いくつかの神社を巡る中で「鳥居の色が持つ雰囲気」に違いを感じてきました。
そこから感じたことを、私なりの考えとして書かせていただきますね。
赤い鳥居 — 行動・祈願・変化の象徴
赤い鳥居のある神社は、どこか力強く、背中を押してくれるような印象を受けます。
「新しいことに挑戦したい」「今の流れを変えたい」そんなときに足が向くのは、やはり赤い鳥居の神社です。
赤は古くから「魔除け」や「生命力の象徴」とされてきた色。
自分の内側に眠る情熱を呼び起こしてくれるような、そんなエネルギーを感じます。
願いを形にしたいとき、停滞を打破したいときにお参りすると、自然と心が前を向いていく気がします。
赤色はアドレナリンの分泌を促し、興奮状態を作り出すの!
白い鳥居 — 浄化・原点回帰・癒しの象徴
一方で、白い鳥居の神社に立つと、不思議と心が静まります。
派手さはなくても、清らかで凛とした空気が流れていて、「自分を整える場所」という印象が強いです。
白は「浄化」や「再生」を象徴する色。
何かを始めるというよりは、一度立ち止まって、心をリセットしたいときにぴったりだと感じます。
人との調和を大切にしたいときや、自分の中の穏やかさを取り戻したいときにもおすすめです。
初詣や参拝でのおすすめの選び方
- 挑戦・転機の年にしたい人 → 赤い鳥居の神社へ
行動を後押ししてくれるような、前向きなエネルギーを受け取れます。
祈りや願いを強く届けたいときに。 - 穏やかに過ごし、自分を整えたい人 → 白い鳥居の神社へ
静かな気づきを得たり、気持ちをクリアにできる時間が生まれるでしょう。
どちらの鳥居が良い・悪いということではなく、
「その時の自分に合ったエネルギーを選ぶ」という感覚が大切なのかもしれません。
まとめ — 色に込められた日本人の心

鳥居の色は単なる装飾ではなく、その時代の信仰と人々の願いの形を映すものです。
どちらが良い・悪いという話ではなく、
「どんな気持ちで神さまの前に立ちたいか」によって、選ぶ色が変わるのかもしれません。
年の終わりや始まり、心を整えたいとき。
あなたが惹かれる鳥居の色が、いまのあなたに必要なメッセージを教えてくれているのかもしれません。
赤い鳥居が良くないと言われることもあるそうです。
その理由が気になる方は、ぜひチェックしてくださいね。